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畳屋さん 選び方 完全総集編

  • 執筆者の写真: 五十嵐畳店(千葉県) 息子ブログ
    五十嵐畳店(千葉県) 息子ブログ
  • 6月9日
  • 読了時間: 42分

更新日:6月13日


畳屋さん 選び方をGoogle検索しているイメージ

 

 


 はじめに 

  

「畳を替えたいけど・・・どこにお願いしたらいいかわからなかった。」そんなお声を定期的にいただきます。前に頼んでいた畳屋さんが閉めてしまったとか、和室のある友人がいないなどさまざまです。また、「今すぐ畳替えというわけではないが、畳替えを失敗したくないので、情報収集をしていたけどよくわからなかった・・・」というお声もよく聞きます。はじめて畳替えをする方、以前畳替えをしたことがある方も、共通するのは、気軽に頼めて、安心できる畳屋さんを探しているということ。でも、その選び方がわからない方が多いようです。「畳替えは一生に何度もないことだから安心して頼める畳屋さんを探したい。」「良い畳にしたい。」そんなお声に応えられるよう、安心できる畳屋さんを見つけてもらう為に、畳屋さんの選び方を書くことにしました。 

 

しかし・・畳屋さんが、畳屋さんの選び方を書くことに何か違和感があり、おかしいかなぁと何度か書くことを止めました。ですが、それでもあえて書こうと思った背景は、畳離れの加速を抑えたいと思っているからです。畳離れは、生活様式の変化、洋風化の流行りなどがありますが、もう1つは、粗悪品が出回ってしまったからだと考えています。良い値段の畳を選んでも、値段に見合った相応の材料が使われないケースがあります。結果、畳が長持ちしづらく、経年後の見ためもキレイでないので、すぐボロボロになるんだったら・・・と畳離れが進んでいるのではないかと危惧しています。そして、相続で譲り受けた実家の畳がボロボロで汚く、畳の印象が悪くなっていることもあると思っています。なので、値段相応の畳を、確かな技術で届けてくれる畳屋さんを選べる方が増えれば、少しでも畳離れを抑えることにつながるのではないかと感じ、畳屋さんの選び方を書くことにしました。 

 

最後に、五十嵐畳店のホームページを見て、訪問地域外でも対応いただけるか?と相談してくださる方もいらっしゃいます。せっかくお声をいただいて嬉しいのですが、残念ながら畳屋の特性上、訪問地域より極端に遠い所は対応できないのが現状です。訪問地域外で出張費を加算するより、近くの良い畳屋さんを探してくださった方が良いと思い、そんな方に向けても書いています。 

 

 

全国で畳替えを考えている方の畳屋さん選びに、少しでも参考になれば幸いです。 

 


 

 

目次 

 


1-3 訪問エリアが比較的狭い畳屋を選ぶ 

 

 



 

 

  


 


 



6-2 テレアポフォンアポインター主体の畳店 

 

 


 


 



 


 


 



 


 


 

 


 

 

 

 

 

 

1章 畳屋さんのココを見よう! 畳屋さん 選び方 情報収集編 

 

この章では、畳屋さん 選び方を項目ごとに紹介しています。この章が畳屋さんを探す上で一番大切です。ポイントは、できるだけ多くの項目を満たしている畳屋さんを探すイメージです。なぜ、「できるだけ多く」と書いたかというと、畳は畳屋さんごとに差があり、特長もあるので、すべての項目を漏れなく満たしている畳屋さんは、全国でもほとんどないからです。畳はめったにない買い物ですから、美容室みたいに、気に入らなければ別の美容師に・・・という訳にもいかないと思います。後の章で紹介する、畳替えに失敗したときのケースにならないよう、できるだけ多くの項目を満たしている「総合評価の良い畳屋さん」を探してください。そして、「失敗しない確率を上げる」イメージで考えてください。 

 


 

1-1 創業年数が長い  


畳屋さんに限らず、企業の存続率は10年後には72%と言われています。10年後には、30%の企業が倒産しているということです。さらに、創業して30年後には43%と半数以上の企業が倒産しているという結果が出ています。創業して50年以降は存続率が0.96%で、100社企業があったとすると1社も残らないということになります。(中小企業白書より)創業年数が長いことは、それだけ信用を積み上げてきた証拠と言えますので、安心して任せられる大きなポイントです。 

 

 

1-2 畳以外の事業をしていない畳替えの専門店を選ぶ  


また、創業年数と合わせてチェックしてほしい点は、畳の事業のみをしているか、そうでないかです。人口もどんどん減少し、これだけ企業の生き残りが厳しいと、本業が厳しくなり、別の事業もはじめる企業が多いです。(多角化)事業が1つのみの会社は、その事業の信頼が厚い証拠です。畳屋さんに当てはめれば、創業年数が長く、畳のほか襖(ふすま)や障子、網戸、クロス、リフォーム・内装関連事業を行わず、本業(畳)のみで続いている畳屋さんはさらに信頼がおけます。 

 

 

 

1-3 訪問エリアが比較的狭い畳屋を選ぶ 


訪問エリアが複数県にまたがるほど広くなく、複数の市や区の地域に根付いたお店は安心できます。訪問のエリアが広くないと、いい加減な仕事をしていては悪い評判が広まって、長くは続かないからです。千葉県の畳屋さんであれば千葉県に限定し、千葉県の一部の地域を対象にしている所の方が安心できます。もちろん、訪問エリアを複数の県にしている畳屋さんでも、しっかりしている所もあると思いますが、あくまで確率論の話です。地域に絞った畳屋さんの方がいい仕事をしてきた確率が高いということです。地域を絞ると、他の都道府県に逃げられないからです。 


 

1-4 取引実績の有無 


畳屋さんは、個人の方からいただく畳替えのほか、新築住宅、賃貸住宅、お寺、施設など、様々な場所で畳替えをしています。お寺の方は、もちろんお寺の施工実績がある所の方が安心できますが、個人の方が畳替えをするときには、ハウスメーカーや、新築住宅での施工実績があるところが安心です。ハウスメーカーの取引は新築施工が多く、新築住宅は、何千万円という買い物ですから購入された方が新築の仕上がりにシビアである場合が多いからです。賃貸に住む方と、新築購入者では部屋の仕上がりを気にする度合が違うことは想像できると思います。ゆえに、新築住宅のハウスメーカーも施工に関する監査が厳しく、しっかり施工できる業者でないと取引が続けられないからです。個人の方は、ハウスメーカーや新築住宅での取引実績があるところがより安心できます。 

 

 

1-5 畳替えを予定している場所から近い所を選ぶ 


畳替えしたい場所が自宅であれば、自宅と同じ市内、もしくは隣接市内の畳屋さんを選ぶと、フットワーク早く対応いただける場合が多いです。また、畳替えを終わった後のアフターフォローなど、何かあったときも早めにかけつけてくれる事が多いと思います。 

畳屋さんの特性上、見積りで1往復、畳の搬出・搬入で2往復と、交通費と時間がかかりますので、自宅と同じ市内でいいなと思う畳屋さんを見つけられない場合は、隣接市内周辺から探していくことがおすすめです。 

 

 

1-6 若い職人がいる畳屋さん  


畳の業界は高齢化してきており、60代の職人でも若い方と言われています。 

70代で畳業をされている方も多く、重い家具などの対応が難しい場合があります。 

また、次回の畳替えのときは十数年後ですから、高齢を理由に廃業されているケースもあり、「今まで頼んでいた畳屋さんが廃業してしまって、次の畳屋さんを探すのが難しかった」という話をよく聞きます。次回の畳替えのことを考えると、若い畳職人がいる畳屋さんの方が安心です。 

 

 

1-7 少数体制である畳屋さん  


畳屋さんはものづくりであり、技術職です。美容師やマッサージ、リフォームと同じで、対応する人によって品質に差があります。ですので、少人数で対応している所の方が仕上がりが安定しています。美容師・マッサージも人によって差がありますし、気に入った人を指名したりしますよね。畳屋さんに当てはめると、畳を作る人によって差が出る可能性が高いということです。また、畳職人は年々減ってしまっていて、大人数体制の畳屋さんの職人が全員熟練職人であることは滅多にありません。あくまで人が作るものなので、少数体制であれ、品質に多少の差は出ることはあると思いますが、大人数体制の畳屋さんよりも、少数体制の畳屋さんの方が品質の安定性が高い傾向にあるということです。 

 


 


1-8 畳製作にひと手間かけていそうか  


畳は経年や使い方によって若干のスキマや凹凸、入口の段差などができる場合があります。それに対して補修をしているという点が記載されているか確認しましょう。最近は畳の制作機械がありますが、畳の解体や補修、スキマ調整や畳のデコボコ、入口の段差調整、細かな寸法確認は機械ではできません。その為、畳を良い状態に仕上げるには職人の手作業が必要なのです。「最新のコンピュータを使って・・」「大量生産が可能」などを大々的にアピールしている所より、細かな補修を対応している所の方が安心ができます。 

 


1-9 ホームページの充実度  


インターネットがお店を探すときの主流になった今、ホームページがある・もしくはインターネットで店の情報がわかることは必要条件です。お客様の目線に立てば、安心して買い物できるようにホームページを作成するのは普通のはずです。ホームページのどんな所を見ていけばよいか、11項目に分けてご紹介します。 

 

 

1-9-1 更新頻度、最新状態に保っているか  


ホームページのお知らせや、ブログ、施工例など、最新な状態に常に保っている畳屋さんは、こまめな性格で一生懸命な畳屋さんです。畳屋さんに限らず更新されていないお店は心配になりますよね。例えば、夏季休暇のお知らせが3年前で止まっている所などは、ちゃんと畳替えしてくれるのか不安と思います。 

 


1-9-2 ブログで人柄なども確認 


ブログは、その店の方が書いていることが多いと思います。ブログを何個か読んでみると、その店の方の性格や個性などがなんとなくわかる場合があります。ブログを確認して、どんな人が来るんだろうとチェックしておくのも良いと思います。 

 


1-9-3 宣伝・売り込みばかりでない 


宣伝で埋め尽くされている&宣伝がかなり多いホームページは慎重になりましょう。例えば、「通常価格○円→今なら○円、○%OFF」という二重価格表示ですが、これが年中掲載されている場合は注意です。割引期間が1/1~1月末までだったはずが、来月には2/1~2月末までと途切れなく掲載されている場合は、法違反です。もちろん割引が悪いわけではないです。買う人はお買い得で喜ぶし、どの業界でも行われていることです。ただ、まったく途切れることのない割引は誠実ではないので気をつけましょう。 

 


1-9-4 顔が見える&スタッフ紹介がある  


畳替えは、自宅に来てもらい、家具の移動などもお願いするものです。このご時世、 

どんな職人がくるかは事前にわかっておいた方が安心です。スタッフ紹介のページでどんな人かチェックしたり、顔が見えるのは安心材料です。 

 


1-9-5 畳に関する情報量がある  


できれば畳替えを頼む前に、畳替えが終わるまでの流れが大まかにわかると安心です。 

畳替えの流れ、畳替えの価格情報の掲載、よくある質問、施工例、お客様の声など、情報が網羅されている畳屋さんの方が買い手の目線に立っているので良いと思います。 

 


1-9-6 畳の施工例・写真数  


へりなし畳や、へりのついた畳など、畳の施工例の写真が各種豊富に掲載されていると良いでしょう。戸建、アパート、マンション、お寺など、建物別で施工例を確認してみたり、自分の和室と似た間取り・似た家具がある施工例があると、より安心です。 



 1-9-7 価格がわかりやすく記載されているか  


畳替えの総額が明確に記載されていると安心です。価格が1枚○○円~と上限がわからない表記や、激安価格で2000円~と価格帯を1種類しか掲載していない所は不安が残ります。補修や畳のへり代、加工代など、追加料金がかかる畳屋さんもありますので、曖昧な価格が記載されているより、できれば○○円~○○円と、畳替えの上限価格の記載がある所が安心できるでしょう。 

 


1-9-8 見積り時にサンプルから畳を選べそうか  


多くの畳屋さんが、見積りのときにサンプル(畳の見本)を見せてくれて、畳の質と価格を決めることができますが、稀にそうでない所もあります。「見本の中から畳をお選びいただけます」と記載されているかどうかはチェックしておきたい所です。 

 


1-9-9 畳に対する知識・畳へのこだわりが見える 


畳屋さんといえど、畳屋さんによって畳に対する知識は異なるものです。畳の情報は閉鎖的で、中々入ってこないため、ホームページに畳の知識が豊富に記載されている所は勉強熱心な畳屋さんが多いです。加えて確認しておきたいのが、協議会や組合の研修に参加していたり、いぐさの名産地・熊本に訪問したことがある畳屋さんであるかどうかです。畳(いぐさ)は、最初はどのいぐさもキレイに見え、同じように見えるのですが、経年後に色味や耐久性(ボロボロになりやすいか否か)に差が出てくる特長があります。熊本を訪問し、よりよい畳(いぐさ)を見極める目利きを養うべく、畳の品質について積極的に学んでいる証拠です。熊本に訪問している畳屋さんは全国的にも少ないですので、産地訪問の経験がある畳屋さんは信頼がおける1つのポイントです。 

 


1-10 法人登録している 


法人の畳屋さんの方が、法人でない畳屋さん(個人事業)よりも、毎年の畳替え数が多いため、毎年の経験値が高い傾向にあります。なぜかというと、売上額が多いと、法人登録で税優遇されるメリットがあるからです。売上が多くないと、税優遇を受けられず、個人事業の方が税負担が少なくなります。なので、一般的には法人企業の方が、個人事業の畳屋さんよりも売上が高い(毎年の畳替え経験数が多い)傾向にあります。会社概要などで、法人番号を確認すると良いでしょう。ただ、あくまで傾向なので、参考程度です。 

 


1-11 地元メディアに出演している 


参考程度になりますが、 テレビや地方誌に取り上げられている畳屋さんも選ぶ基準となります。テレビや地方誌発行の会社も、当然ながら悪質な企業の取材はできるだけ避けるはずです。悩んだ際には、1つの選ぶ基準として見ても良いでしょう。 

 



 

2章 最重要は、第三者の客観的評価であるクチコミ。嘘のないクチコミが最重要。畳屋さん 選び方 情報収集編 


畳屋さんの選び方を長々と書いてきましたが、結局一番大事なのは、最終的な評価であるクチコミです。畳屋に限らず、飲食店を選ぶ時も、ホテルを選ぶときも、あれこれ店側がこだわりを言っていても、結局は畳替えをした方が喜んでいるかどうか、その結果がクチコミです。ただ、クチコミも「なりすまし」の場合や、プレゼントを条件にクチコミが書かれている場合があります。ですので、クチコミの信憑性をきちんと見ていかなくてはいけません。2章でも紹介しますが、「○○の評判サイト」や、「ランキングサイト」も、1位になっている会社が第三者に1位になるよう依頼している場合がありますので、本当に参考になる情報なのかきちんと見極める必要があります。畳屋さんを選ぶときに、クチコミ数に加えて、どのような所を見ていったらよいかをご紹介します。 

 


2-1 クチコミされている「場所」の信憑性の度合いが大事 


同じクチコミ数でもクチコミされている場所によって信憑性は違います。 

皆さんも経験があると思いますが、ネットで買い物をしてクチコミ書いたら割引券やグッズプレゼント」「何行以上クチコミを書けば○○円OFF」といった内容を見たことはありませんか?このような方法でクチコミ数が多い所があります。プレゼントでクチコミが多い所は当然信用性に欠けます。食べログも、クチコミの評価点数をお金で買うなど問題になりましたよね。大手ネットショップや、何十種類もの業種の業者を取りまとめてマッチングさせるサイトなど、大きな会社ほどクーポンなどでクチコミを集める方法が目立っていると思います。クチコミされている場所で安心できるのは、Googleマップです。Googleマップは「クチコミ入れると割引券配布」といった案内がないだけでなく、なりすましのクチコミ(さくら)を、独自のアルゴリズムで定期的に削除しています。そのため、畳屋さんに限らず、最近は良い飲食店を探すときなどもGoogleマップのクチコミは参考になります。 

 

 

2-2 クチコミの評価点数・良い評価・悪い評価 


クチコミ点数が満点の「5」に近いほど信頼がおけますが、クチコミ数が1つか2つで「5」になっていても参考情報が少ないです。ある程度クチコミ数があって、クチコミの点数が良いところを探しましょう。また、クチコミを確認するときは、良い評価だけでなく、悪い評価も確認しましょう。どういった所が悪いのか、その悪い点が自分にとっても良くなさそうか、それとも別に気にならない程度なのかを確認して、自分に合いそうな畳屋さんを探していきましょう。 

 


2-3 クチコミ数と畳に関するクチコミ内容など 


クチコミ数が多いほど、評判が良いのは当たり前ですが、クチコミの内容もチェックしていきましょう。例えば、畳替えをしたいのにクチコミの内容が襖や障子だとあまり参考になりません。そのほか以下のようなことを意識しながら読んでみるといいでしょう。 

・短い文章のクチコミだけでなく、長い文章のクチコミがあるか(長い文章は、それだけその畳屋さんに対して満足度が高かったり、逆に不満が大きかったりの現れです。) 

・襖、障子だけでなく、畳に関する内容が書かれているか 

・どのクチコミも似たような敬語、似たような内容になっていないか(クチコミを書く人によって文章には癖があるものです。あまりにも同じ癖だと「さくら」か心配になります。) 

 


2-4 クチコミへの「アクション」数 


Googleマップには、クチコミに対して、ハート♡マークを押すなど、Instagramやfacebookのような「いいね」機能があります。そのクチコミに対して♡マークなどのアクションが多いほど、そのクチコミが参考になった・共感している人が多いことになります。悪い内容にアクションが多ければ悪い内容が参考になったと言えます。 

 


2-5 リピーターのクチコミがあるか 


リピーターからのクチコミがあると、前回その畳屋さんに満足されていたことがうかがえるので安心です。クチコミ内容を確認するときにチェックしてみましょう。 


 

2-6 クチコミした人の畳屋さん以外のクチコミ数 


Googleマップには、誰がクチコミしているかペンネームかフルネームなどでわかるようになっています。その方のアイコン画像をクリックすると、他の店をどのくらいクチコミしているかがわかります。他の店をどのくらいの点数でどんな内容でクチコミを入れているかがわかる場合があります。探している畳屋さんのクチコミと合わせて確認してみましょう。例えば、他の店は結構辛口評価、畳屋さんには高評価であれば、それだけ満足度が高かったという事になります。他の店が自分が知っている店であれば、クチコミのイメージが沸きやすいと思います。 

 


2-7 クチコミに対する畳屋さんの返信内容 


クチコミに対する、畳屋さんの返信内容も読んでみましょう。返信文で畳屋さんの個性や人柄が垣間見えることがあります。定型文で返信している方、1人1人丁寧に返信している方など様々です。1件1件確認してみましょう。 

 

 

 

3章 文化財建造物の畳新調は、どこの畳屋に頼めばいい? 畳屋さん 選び方 情報収集編 


有形文化財・文化財建造物など「畳を完全手縫いで仕上げてほしい方」には、一級畳製作技能士を資格を保有する畳屋さんは、選ぶ参考基準になります。 

国家資格の一級畳製作技能士は、昔ながらの藁床(わらどこ)を使い、板入れという技法を使い、「ワラ床の畳を完全な手縫い」で畳を仕上げられる事を指すからです。有形文化財は伝統を後世に残すという意味でも、昔ながらの技法を使って作ってほしい要望があります。ただ、選ぶときに注意しておきたいのが、2点あります。1つ目は、大工と同じように(大工にも建築大工技能士という国家資格がある)、資格を保有する畳屋さんが少なく見つけづらい点です。昭和の頃の大工・畳屋さんは資格を取る暇もなく仕事をしていた方が多く、資格をあえて取る人は少なかったようです。そのため、一級畳製作技能士を持っていなくとも、完全手縫いができる畳屋さんもありますので、資格保有の店が見つからない際は、保有していない所にも確認してみましょう。2つ目は、一級畳製作技能士が全員上手であるかというとそうでない点です。完全手縫いの証があるとはいえ、結局はどれだけ完全手縫いの経験数があるかです。スポーツと同じで、しばらくやらないと腕が落ちるのと同じで、畳製作も完全手縫いを定期的にしていないと腕が落ちてしまいます。また、一級畳製作技能士の畳屋さんも、お客様が完全手縫いを希望しない限り、99%以上の畳屋さんは畳の機械を併用して畳を作っています。そのため、一級畳製作技能士の資格保有に加え、ホームページのブログや施工例、SNSなどで、文化財での手縫い畳製作の実績を確認することが重要です。ここからは蛇足になりますが、一般住宅で主流になった藁床でない建材床の畳製作において、完全手縫いできる畳屋さんが良いかというと、そうでもありません。さきほど書いたとおり、99%以上の畳屋さんは、機械と手作業を併用して畳を作ります。若いときから完全に手縫いをしてきたザ職人さんの中には、新しい機械に抵抗があり、機械はけしからん!とする方もいますし、機械が苦手という方もいます。機械は手縫いの工程を参考にして製造されたものですから、手縫いの意味合いを理解して、柔軟に使いこなしている方もいます。結局は、機械の癖の理解や、手のかけ具合は、その人の性格・こだわり次第です。 職人次第と言えばそれまで、一般住宅の畳替えは、「手縫い経験がある職人が創業し、その職人から修業し、そのあと機械が出始め、手縫いと機械使いに抵抗感がないとされる創業50年以上の畳屋さん(2024年時点)」が無難であると思われます。 

 


 

4章 畳屋さん 選び方に加えて「探し方」も知っておこう 


畳屋さん 選び方のポイントがわかった後は、畳屋さんをどのように探すか?です。 

畳屋さんの候補を漏れなく見つけるには、やはりインターネットです。インターネット以外の探し方もいくつかご紹介しますが、畳屋さんの候補を見つけるには、インターネットの方が漏れがなく、効率的で効果的です。畳替えで失敗しない為に抑えておきたい注意点や、畳屋さんの探し方のポイントをご紹介します。畳屋さんを探した後は、1章・2章に書いたような選び方の項目に添って、確認してみてください。 

 

 

4-1 友人・知り合い・家族 聞く時のポイント 


家族や、中の良い友人から聞くお話は、「なりすまし」の心配がないので安心感・信頼感があります。畳替えをしたことがあるか確認するときには、いくつか確認してみましょう。 

・価格はどうだったか? 

・畳の見本から、自分で畳を選ぶことができたか 

・その畳屋さんの何がよかったのか?悪かったのか? 

(例:どんな対応が悪かったのか?威圧的でなかったか?) 

(例:畳の仕上がりが悪かったのか?) 

・昔の畳と比べて長持ちしてる感じがするか? 

・追加料金請求などなかったか? 

・いつ頃畳替えをしたのか? 

畳の価格はピンキリで、畳の質(耐久性など)もピンキリです。上記のような質問を参考に、いろいろ話を聞いてみて、畳屋さんの候補を探してみましょう。 

 

 

4-2 運転や散歩のときに畳屋さんを意識して探してみる  


全国に畳屋さんはどのくらいあると思われますか?セブンイレブンは約2万店、ミニストップは2000店です。答えは6000店前後(諸説あり)あると言われています。数十年前は約5万店ありました。かなり激減しましたが、ミニストップより畳屋さんの方が多いので、信号が赤になったときなど、周辺を見渡してみましょう。自身が住んでいる市区町村や隣接の市区町村を運転するときを中心に見てみてください。畳屋さんは家族でやられている所が多いので、住宅兼店舗のような外観で見つけづらいです。気をつけてみるようにしてください。カフェなどのようなお洒落でない所がほとんどなので、外観は期待しないでください。畳屋は高齢化しており、廃業している畳屋さんも多いので、のぼり旗がついていれば、営業している可能性が高いです。畳屋さんの名前を確認し、インターネットでホームページやクチコミを調べてみましょう。 

 

 

4-3 チラシ・地方情報誌・看板広告  


チラシは意外と畳屋さんが出している場合があります。量産体制の大きな畳店のチラシは定期的に見かけることができます。町の畳屋さんも、年に何回か出している所もありますので、新聞の折込チラシやポスティングチラシも確認してみましょう。 

道路沿いにある看板広告は、畳屋さんはめったに出していません。出している畳屋さんは全国的にも稀なので、畳屋さんの店舗看板を運転中などに確認すると良いでしょう。 

地方情報誌にも、畳屋さんが載っている場合があります。都道府県ごとにフリーペーパーや地方誌はありますので、各都道府県で有名な地方誌を確認してみると良いでしょう。 

 

 

4-4 インターネット検索 google・Yahoo!マップからの検索ポイント 


一番簡単で多くの畳屋さんを見ることができるのがGoogleマップ・Yahoo!マップです。 

ホームページを作っていない畳屋さんでも、Google・Yahoo!の地図上で検索すれば出てくるので、周辺の畳屋さんの一覧を確認することができます。 

検索方法としては、地図上で「○○市 畳」「○○都 畳店」などと検索すると、検索した市の畳屋さんが表示されます。もしくは、自身の都道府県をつけて検索すると表示される畳屋さんの数が増えます(例:「○○県 畳 / ○○県 畳店」)表示された畳屋さん一覧から気になる所を見てみましょう。 

 

 

4-5 インターネット検索 都道府県事業の協賛店から確認 


各都道府県の事業で、協賛店を募集してその店の特典が受けられる場合があります。その協賛店に畳屋さんも協賛している場合があるので、確認してみましょう。例えば千葉県だと、運転免許等自主返納サポート店や、「子育て応援!チーパス」の協賛店などです。 

「○○県 協賛店」などと検索すれば出てきます。 

 


 

5章 畳屋さん 選び方 これは要注意!比較サイト・ランキングサイトは慎重に 


商品の比較サイトや、ランキングサイト、〇〇会社の評判などのサイトは、特に注意してみる必要があります。衝撃的なのですが、そのサイトが自作自演のような場合があるからです。これは、畳業界に限らず、他の業界でも同じようなことが言えます。例えば、ランキングサイトで1位の会社が、第三者の会社に1位になるよう依頼している場合があり、信用性に欠けます。そのため、ランキングサイトや〇〇会社の評判サイトでの判断は、慎重にする必要があるでしょう。 

 


5-1「PR」「スポンサー」「広告」などと載っているサイトは要注意 


「○○会社の評判」などのサイトに小さく「PR」「スポンサー」「広告」などと載っていれば要注意です。第三者の企業に、自社が1番魅力的に見えるようにする為に評判サイトを設計して制作してもらっている場合が多いです。そのほか見ておきたいポイントは3つです。 

 


5-2 1位の理由を確認する 


1位の理由が納得できるものか確認してみましょう。例えば、1位の理由がサイトのイメージ調査などと書かれている場合があります。イメージではあまり参考になりません。小さく理由が書いてあるので確認してみましょう。 

 

 

5-3 ほかの都道府県、ほかの市区町村ごとのランキングも確認 


どの都道府県も不自然にすべて特定の会社が1位になっている場合は要注意です。 

 


5-4 サイトの運営会社の情報をチェックする 


運営会社の情報元が少ないと信用性がわかりづらいです。運営元の情報を調べてもインターネットに出てこない場合もあります。他のサイトと比較して、運営会社の情報が極端に少ないと注意です。 


 


 

6章 畳屋さんにも大まかに種類がある。畳屋さんごとの特長を紹介 


畳屋さんにも、種類があります。1章、2章と盛りだくさんな内容になりましたので、 

この章ではこんな畳屋さんがあるんだなぁ程度に、はし休めで読んでみてください。 

 


6-1 大手畳製造業 


畳業界にも、大手の畳店はありますが、畳業界でいう大手とは、従業員数十名の会社や、非正規契約の職人を含む数百名の規模の畳店を指しています。畳店では、上場している会社はありません。他の業界と比べると中小企業の位置づけです。 

ここの特長は、アルバイト・パートの社員を中心に、コンピュータ製造機械を使って大量生産していたり、非正規の職人に下請けの形で運営しています。かなりの枚数の畳替えをしている為、畳の引き上げ~納品までに日数がかかるところが多いです。また、全国に十数の支店や、グループ会社を持っており、全国展開もうたっている所が多いです。また、営業と畳製作が別のところが多く、営業マンが真摯であったり、強引であったり、賛否両論あります。 

 


6-2 テレフォンアポインター主体の畳店 


テレフォンアポインターを雇い、個人宅に畳替えの営業電話をする畳店です。最盛期は数十人のテレフォンアポインターを雇う所も多かったですが、現在は迷惑電話が社会問題としてニュースに取り上げられてきたことから、電話に出る人も少なく、数人規模の畳店が多いです。テレフォンアポインター主体の畳店は、町の畳店と比べ、営業範囲が広範囲な所が多く、都道府県単位で対応するといったイメージです。 

 


6-3 町の畳店 


昔からなじみある近所の畳屋さんです。大手畳店は歴史が浅い所も多いですが、町の畳店は創業が長く古いところが多い傾向です。家族で営んでいる所がほとんどで、1人で営業している所も珍しくなくなりました。町の畳屋さんは、畳の引き上げから納品まで1日でできる所が多いです。見積りと畳製作を同じ人で対応する所も多いため、職人が見積りに伺うことも多いです。60後半~70代の職人は想像つくかと思いますが「ザ・職人」といった頑固な感じ、3代目、4代目の30~40代の職人は比較的穏やかで要望も柔軟に応じてくれる所が多い傾向です。町の畳店といっても様々なタイプがあり、襖・障子など事業拡大している畳屋、畳雑貨や畳小物を積極的に販売する畳屋、畳一筋で対応する畳屋、寺社仏閣など伝統的な木造建築を手掛ける宮大工のような畳屋などいろいろです。 

 



 

7章 畳屋さん 選び方 電話編でのチェックポイント 


前提として、畳屋さんに電話応対の良さを期待しないようにしましょう。 

畳業界や、職人の世界の課題ですが、イメージの通り腕を磨くことに注力し、電話対応を良くする必要性がなかったのが職人の世界です。丁寧に説明するのが苦手な方も珍しくありません。今の新卒社員研修のように電話応対の基礎も学ぶことはなかったため、ホテルや高級飲食店などのような応対は期待できません。電話で畳替えの疑問点を確認する中で、専門的で安心できそうな回答があればなお良いでしょう。また、畳の値段、例えば表替えの値段を確認した際に、「○○円です」と断定する畳屋さんは注意しましょう。畳は低価格品~高級品までランクがある為、明確に答えられないものだからです。 

畳替えは、現場を確認しないとわからないこともあるため、まず会ってみることが大切ですが、もし電話で質問することがあれば、その質問に対して、不愛想に聞こえても「まじめそう」「自分の仕事に自信をもっていそうか」「一生懸命ながらにも伝えてようとしているか」など、感じることができれば一旦見積りで会ってみて決める流れで良いと思います。多くの質問をあまり良く思わない職人も多いですから、回答してくれようとしている気持ちがあるかの温度感を感じることが大事です。 

 

 

 

 

8章 畳屋さん 選び方 対面・訪問編 


1章・2章で畳屋さん 選び方で畳屋さんの目星をつけて、電話した後は実際に訪問して見積もりをしてもらいましょう。対面時に畳屋さんを選ぶ上で確認しておきたいことを紹介します。まず前提として、畳屋さん 選び方の電話編でも触れましたが、接客業という必要性がなかったのが職人の世界です。もちろん丁寧な受け答えができる方もいますが、まだまだ、愛想のない応対や、丁寧な説明が苦手な方も珍しくありません。ハウスメーカー、ホテルなど丁寧な接客を求めている人は驚くかもしれません。対面のときも同様で、説明を受けたり質問する中で、まじめそう、押し売りが強くない、一生懸命ながらにも伝えようとしている気持ちが伝わるかなど、この人には任せてもよさそうだと肌感覚で感じることが大事です。リフォーム会社を選ぶ際には、よく担当者の相性が大事だと聞きますが、リフォーム会社ほど相性を気にする必要はありません。リフォームは自身で選ぶことが膨大にあるのに比べ、畳は自身で決めることが少ない為です。 

それでは、見積りの際に確認しておきたいことをご紹介します。 

 

 

8-1 畳の見本確認 


畳の表面や、畳のへりのサンプル見本があれば見せてもらい説明をお願いしてみましょう。畳の表面は何が違うのか?など、気になることは質問してみましょう。いぐさは天然素材なので同じものはありません。詳細はかなり長くなってしまうので割愛しますが、いぐさの長さや経糸の種類(綿糸、麻糸)、品種・厚み・感触・重さ・日焼けなどの説明があると良いです。 

 


8-2 工期 どのくらいで仕上がるか 


畳の引き取りから納品までどれくらいかかるか確認しましょう。畳屋さんの繁忙具合や畳屋さんの規模によっても工期は変わります。早い所で当日仕上げ、遅い所で畳の引き取りから納品まで1週間以上かかる所もありますので、今の和室の使い方に応じて希望の工期を検討しておきましょう。 

 


8-3 畳替えの方法 


畳替えは、畳の交換・表替え・裏返しと3種類の張替え方法があります。畳の交換>表替え>裏返しの順に価格が高いです。経過年数に応じて畳替えの方法が替わりますので確認してみましょう。カビやダニ、凹みなどの心配がなく、費用を抑えたい場合は表替えができそうか確認してみましょう。 


 

8-4 家具移動 


畳替えをするときに大変と思われる方が多いのがお部屋の家具移動です。基本的に家具移動は畳屋さんが対応してくれます。小物などは移動をお願いされることがありますので、どこらへんを片付けておいた方がよいか確認してみましょう。


 

8-5 価格内訳・キャンセル料・オプション料金・追加料金 


価格の内訳は畳屋さんによって様々です。家具移動、畳搬出入、諸経費、諸工事費、加工費、駐車場代など、無料でサービスしている畳屋さんと、別途料金の畳屋さんがあります。畳の使用材料の質、畳縁(へり)代のオプション料金の幅、加工費の料金幅なども畳屋さんによって異なります。何が含まれているか、見積り後の追加料金はないか確認しておきましょう。まれにキャンセル料がある所もありますので、そちらも確認しておくと安心です。 


 

8-6 接客対応 


見積りの担当者は職人さんが直接対応するケースと、営業が対応するケースがあります。 

畳のことや施工のことなどざっくばらんに聞いてみましょう。誠実そう、熱意がある、強要してくるなど、感じる所があると思います。専門性がありそう、この店に任せても大丈夫そうと感じられる所にお願いしましょう。理想は、見積りにきた人が畳を制作する所だとベストです。連携ミスがなく、部屋の寸法など現場を確認した上での施工ができる為です。 

 

 


 

9章 自分で調べきれないときは、他の人に調べてもらおう 畳屋さんの探し方 

 

これまでの章で、畳屋さんの選び方をあらゆる視点から紹介してきました。こちらを見ながら探せる方もいらっしゃると思いますが、自分では探せそうにないと自信がない方もいると思います。そういう方は、誰かに代わって調べてもらうのも1つの方法です。お孫さん、子供、兄弟、友人、親など、良さそうな畳屋さんを見つけてもらいましょう。 

 

 



 

10章 畳は畳屋ごとに差があり、耐久性や見た目が変わる 


畳は、ものづくりの職人業であり、たとえるなら寿司屋のようなものです。電化製品などのように、品質がほぼ一定ではありません。寿司屋やレストランのように、使う材料や目利きは一定ではありません。そのため、畳屋によって、畳の見ため、耐久性、技術、安全性などが異なってくるのが特徴です。そのほか、具体例としてどんな所に差があるのかをご紹介します。 


 

10-1 畳製作・補修・解体 


畳屋さんによって畳に対する考え方、作り方は異なります。後述しますが、畳の作り方や補修・解体によって、畳の寿命や安全性が変わってきます。畳を縫うときに使う材料は、ほとんどの畳屋さんは糸ですが、まれにすべて針(留め具。大きなホチキスのようなもの)で制作している所もあります。畳の補修も、隙間や出入りの段差、家具跡などのデコボコを補修する所とそうでない所があったり、畳の解体においても畳の土台がもろくなりづらいように解体する所とそうでない所があったりします。 


 

10-2 同じように見えて使う材料が異なる 


畳は、畳の表面である「畳表」、畳の「縁」(フチ部分)、畳の土台の3つで構成されており、特に畳の表面である畳表(いぐさ)は、畳屋さんによって差があります。例えば、A畳店とB畳店の畳替えの値段が同じ値段でも、使う材料は、畳屋さんによって異なるのです。例えば、どちらの畳店も国産とうたってAても、使う材料が異なってくるのです。国産の中でもいぐさの本数、いぐさの長さ、品種、いぐさ1本1本の質など、グレードがあり、耐久性や見た目に違いが出ます。どの畳表を使うかは、その「畳屋さんのこだわり」と、「会社の体制」によって変わってくるのです。 


 

10-3 サービス・会社体制 


会社の体制や方針によって、使う材料の品質が様々です。例えば、固定費・変動費が多くかかる所は、材料にお金をかけることが難しくなります。固定費であれば、家賃がかかる畳店とそうでない畳店、電話受付員、経理、総務、営業、畳製作、管理職の有無など、多くの人を雇えば材料以外に費用がかかります。多くの人を雇う所は、注文数も多く材料を激安で仕入れられると思われるかもしれません。ですが、イオンなどのような超大規模な企業であれば規模の経済を発揮できて品質が良く値段も安いですが、畳業界は縮小していることもあって超大規模な企業はなく、規模の経済が発揮しづらい状況にあります。変動費であれば、広告宣伝費が挙げられます。 

畳制作においては、1枚作れば数百円という完全成果型報酬を設定している会社とそうでない会社でも、畳制作のクオリティは変わりやすいです。 

下請けに畳制作を依頼している所の方が、上乗せが発生する為、材料に費用をかけづらい構造になります。 

 

 


 

 

11章 畳屋さん 選び方 を失敗するとどうなるのか 


それでは、畳屋さんの選び方がよくないとどうなるのでしょうか。第10章でも少し触れたように、安全性の面や、畳の品質面、サービス面で違いが出てきます。実際に目にした実体験や、お客様の声などから一挙ご紹介します。 


 

11-1 結局値段が高くなる。怖いのは追加料金 


安い金額かと思っていたら、実際は高くなってしまったというケースです。 

畳のへり代が高額であったり、家具移動代や、畳補修代、畳の引き取り代が含まれていないことなどがあります。また、キャンセルするとキャンセル料がかかってしまったり、表替えできる畳のはずが、畳の土台ごと交換する畳新調(表替えより高価)となってしまうケースもあります。怖いのは、実際に見積った金額よりも、畳替えが終わった後に高く追加料金が請求されることです。 


 

11-2 畳から釘のようなものがとび出てチクットとする、刺さって危険 


釘のようなもの、畳業界では鋲(びょう)と呼ばれるもののみで縁を縫い、畳を仕上げると、安全性に欠けます。写真が、鋲のみで制作した畳ですが、この小さな鋲が足にチクッと刺さってしまう場合があります。最初はしっかり固定されているのでわかりません。ですが、掃除機をかけたりなど日常使用に加えて、畳は少しずつ痩せてくる為、鋲を打った箇所がゆるみ、あるときに縁がめくれて刺さる場合があります。また、鋲のつけ間違いにより、鋲が刺さってしまうケースもあります。鋲は長さが様々で、畳の厚みに合わせて適切な長さの鋲を使用します。最近は薄い厚みの畳もある為、薄い厚みの畳のときに、畳の厚みギリギリの長さの鋲が使われている場合があります。その場合、経年により畳がつぶれてくることによって、鋲が表面にでてくることがあるのです。実際にあった話ですが、団地で薄い厚みの畳に、畳の厚みと同じぐらいの鋲が使われ、入居者に刺さってしまい、何百枚もの畳再度作り直すといったケースがありました。 


畳のへりをホチキスで留めている写真
へりの下に留めてあるホチキスのようなものが刺さってしまう

 

 

11-3 不快な思い・怖い思いをする 


見積り時に担当者が良くないというケースです。例えば、担当者がきて、良くなかったので断ろうとしたら怒鳴り散らし、捨てゼリフを吐かれたということがあります。 

お客様が高齢者ほど、凄まれたという話を聞きます。  その他にも「人相の悪い男性が後ろに立っていて断れなかった」  「奥さんが1人の時に見積をお願いしたらしつこく居座られて怖くなった。 」などがあります。 

また、畳の表面に印を書かれてしまう場合もあります。まだ頼むことが決まっていないのに、畳を補修する箇所をマ ジックで印を付けられてしまうというケースです。 


 

11-4 施工方法による耐久性の低下、畳の破損、大きなタルミ 


施工方法によって畳の耐久性が低下するケースです。難しくなるので詳細は割愛しますが、例えば、畳を解体するときに、畳の土台(裏部分)ごと切られているケースです。土台裏のシートも切れている為、畳を縫う際に土台に糸が食い込んでしまう為、土台が消耗してしまいます。また、畳制作時に切れない包丁を使うことにより、断面がボロボロになり、耐久性が低下してしまいます。特に薄い畳の場合だと、次回は表替えができない場合もあります。また、畳表を張る際に、引っ張らずに縫ってしまうことにより大きなタルミが施工後すぐにできてしまう場合があります。 


シワになっている畳
替えたばかりなのにタルミが出てくる

 

畳の断面
研がれていない包丁を使うことで断面がボロボロになる 


11-5 安価な材料が使用される 


見分けがつきにくく難しいですが、安価な材料が使われるケースです。 

畳の表面は、「いぐさ」や「和紙」「樹脂」がありますが、どの素材も素材ごとで品質に差があり、表面が比較的むけやすい物が使われる場合があります。 

畳の土台(建材床)もいくつか種類があり、耐久性が低く潰れやすいとされる「木質ボードの厚みが薄く、発泡の2層でできた土台」が使われることもあります。木質ボードのみでできた土台や、発泡を木質ボードでサンドイッチした3層構造の土台の方が、畳が潰れづらいです。 

 

 

11-6 産地偽装された畳、着色された畳 


国産畳といって、中国産の畳が使用されるケースです。中国産の畳が悪いわけではなく、国産を使いたい方にとって偽装されていることが問題です。畳表を織る際に使われる糸を見れば国産か中国産かわかりますが、畳替えをお願いする方には見分けがつきにくいことも問題です。 

 

 

 


 

12章 畳屋さん 選び方が上手くいくと・・・ 


良い畳屋さんを選ぶと、コストパフォーマンス高い畳を使うことができます。値段に対して品質の良い畳が使われることで、比較的、長持ちしやすい畳になるでしょう。しっかりした畳屋さんであれば、畳のほとんどを糸で縫い、解体や制作時に配慮しながら畳を制作することで、安全でピシッと和室に畳が収まり、キレイな仕上がりになります。キレイに仕上がった畳を見たお客様や、お子さん、ご友人は、よく以下のようなご感想をいただきます。 

 

・小さいお子さん「わー、きれーい!」  

・お孫さんは「この部屋いい匂い~!」  

・友人からは「すごく素敵になったねー。」  

・帰省してきた大きな娘さんは、「いい香りで落ちつく~。」  

・うわぁキレイ、違う家みたい  

・肌触りがつるつるで気持ちいい! 

・やっぱり畳が落ちつく 

・いい香りに包まれて、1日中座っていたいです。 

・旅館みたい  

・新しい家にいるみたい 

 

畳屋さんの選び方が上手くいくと、先ほどご紹介した畳替えされた方の感じたような体験ができることでしょう。 

 

 

 


 

13章 畳屋さんをうまく探しきれないときは・・畳替えができる業者からも探してみよう 

 

今いち「ここなら良さそう」と思える畳屋さんや、安心して頼めそうな畳屋さんが見つからなかった場合には、畳屋さん以外で畳替えができる業者さんから探してみるのも1つの選択肢です。畳屋さん以外では、主にホームセンター、ハウスメーカー、リフォーム会社、工務店、家電量販店などが挙げられるでしょう。また、畳含む複数のサービスについて一括見積りができる業者もあります。畳屋さん以外の業者の良い所は、ついでに畳替えができるという利便性です。デメリットとしては、頼みやすく便利な反面、自社施工でない為、業者さんが畳屋を仲介するイメージの為、マージンが上乗せされることによって割高になる傾向がある点です。次項では畳屋さん以外の業者の特長をご紹介します。 

 

 

13-1 ハウスメーカー、工務店、リフォーム会社から探してみる 


キッチンやバスなどをリフォームするついでに畳替えを頼むことができるので、手間が省けるのは良い点です。ハウスメーカーでは、家を建てたときの営業マンやお客様センターに畳替えの相談ができます。また、ハウスメーカー・工務店・リフォーム会社もクレームがあってはいけないので、協力している畳屋さんは、一定の腕・品質があると言えるのも良いです。第1章でも触れたように、新築住宅での畳を施工している所の方がより安心です。新築住宅は、何千万という買い物ですから購入された方が新築の仕上がりにシビアである場合が多いからです。 

デメリットとしては、畳屋さんのように、畳表の見本を持っている所はほとんどなく、見本をみながら畳のランクを選べないことが多いです。畳替えを頼む側から指定しない限り、ランクが高くない畳になります。また、マージンが発生して割高になりやすく、例えば規模の大きいハウスメーカーですと「ハウスメーカー→下請け工務店→2次下請け畳店」といった構造になっています。そのため、畳屋さんに直接頼むよりも割高となることが一般的です。 

 

 

13-2 ホームセンター、家電量販店 


ホームセンターや家電量販店も、何かの買い物ついでに畳替えの相談ができるので便利です。畳替えを対応していない所もありますので確認が必要です。畳の見本もいくつか展示している所もあり、松竹梅といった形で畳のランクを自分で選ぶことができます。ホームセンターや家電量販店も、仲介が多いため、マージンが発生して割高になります。畳屋との取引が多い畳の問屋や、大手畳製造業が請け負っていることが多く、「家電量販店→大手畳製造業→下請け畳職人」といった構造になります。そのため、畳屋さんに直接頼むより割高になるか、同じ価格でも畳の品質が劣ってしまうことが一般的です。ホームセンターでは、自社アルバイトを採用して畳替えをしている所もありますが、技術面が懸念されます。 

 

 


 

 

14章 最後に・・決めきれない方は畳屋さんをゆっくり探そう 


畳屋さんの探し方をあらゆる角度で出し尽くしてみました。相当なボリュームになってしまいましたので、1度読んだだけでは消化しきれない部分もあるはずです。ですので、お時間がある際にまた読んでみてください。特に、1章と2章が選ぶ上で参考になる所が多いですので、読み込んでみてください。5章で触れたランキングサイト、〇〇会社の評判などのサイトには本当に注意してくださいね。 

 探し方も一通り読んでみて、まだ決めきれないときは、焦らないで、ゆっくり探してください。すぐ替えないからといって、危険なことはほとんどありませんので。 

徹底して探したい方は、目次1章の1-1以降の項目、目次2章の2-1以降の項目を表でまとめて、畳屋さんごとで◎、〇、△、✕などと自己評価すると整理されてもよいかもしれません。 

 

 

 


15章 番外編:畳替えの目安時期、流れ、タイミングなどを知っておこう 

 

頼みたい畳屋さんが見つかった後は、疑問が沸く方もいると思います。  


「畳ってどのくらいの工期がかかるの?」 

「畳替えするまでの流れはどんな感じ? 

「畳替えするときはどんな準備が必要?」 

「みんなはどれくらいのタイミングで畳替えをしているものなの?」 

 

など色々あると思います。頼みたい畳屋さんに連絡すれば答えてくれますが、もし事前に知りたい方は当店ホームページの豆知識ページで紹介していますので、ご興味ある方はご覧になってみてください。 

 

■五十嵐畳店 畳のマメ知識ページ 

 

近年は、畳が多様化しました。いぐさの畳のほか、お手入れやメンテナンスがしやすくカラーバリエーションが豊富な和紙畳もあります。最近の新築では正方形の形をした琉球畳も導入されていて、モダンな雰囲気が人気を集めています。いぐさには消臭効果や空気の浄化、リラックス効果、湿気を吸ったり吐いたりする調湿効果、睡眠の質向上など暮らしを豊かにする効能があります。いぐさの畳と和紙畳はそれぞれ特徴がありますので、用途に合わせて好みの素材選びを楽しんでください。個人的には天然植物ならではの風合いを感じられるいぐさがオススメです。 

 

 

■五十嵐畳店 畳の特長ページ 

 

 

畳は、日本でしか味わえない日本人の特権です。洋室もいいですが、高品質な畳は洋室にはない魅力があります。ぜひ、良い畳屋さんを見つけて、快適で上質な和空間になることを願っています。 

 

 

 



千葉県五十嵐畳店ロゴ

 


 




〒273-0862 

千葉県船橋市駿河台2-18-9 

(営業時間電話受付:7:00~20:00

平日・土日・祝日受付/ 不定休) 

 

【公式ホームページ】 


【公式LINE】 

 

取扱い畳:い草畳、和紙畳、樹脂畳 

取扱い工事:畳表替え、畳裏返し、畳新調(交換・新畳)、畳処分、その他付帯工事 

 

 

 

 

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