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  • 執筆者の写真五十嵐畳店(千葉県) 息子ブログ

畳 メリット と デメリット 総まとめ

更新日:4 日前


畳 メリット デメリットの紹介ブログのイメージ写真。


こんにちは。五十嵐畳店(千葉県)の三代目です。



 この記事では、畳の良いところ・悪いところ・畳の用途をご紹介しています。

畳替えは、めったにない機会です。

10年~15年に1回くらい畳を替える方が多く、早い方でも3年~5年に1回の機会しかありません。ですから、「めったにないから、畳選びを失敗したくない。畳のことを詳しく知りたい。」と思われる方も少なくないと思います。ただ、畳を調べてみると、あることに気づきました。それは、畳のことを体系的にまとめた情報が紹介された内容が、インターネットの記事にほとんどないことです。建築会社やまとめサイトが紹介している情報がネット検索に上がってきていて、畳の専門である畳屋の情報があまり出てきません。めったにない機会なのに、「畳を詳しく知る機会が少ない」のも現状です。

 こういった背景から、そのような現状を少しでも解消し、「詳しく畳を知りたい!」と感じている方に畳の情報を届けたく、情報を整理してまとめました。畳を検討する上での参考になれば嬉しいです。



 


 








1章:畳 メリット 種類ごとにご紹介


 畳と一言で言っても、さまざまな種類があります。

畳の構造も知っておくことで、畳のメリットがわかりやすくなりますので、構造の紹介も簡単にしながら、畳 メリットをご紹介します。

畳の種類を問わない、畳共通の良さは、畳の上を素足で歩けたり、ゴロンと寝ころべる気持ち良さです。畳だからこその程よい弾力性。転倒時の衝撃を和らげる機能性と、やさしい肌触り。こどもの頃、実家の和室で過ごしていた思い出。昔から馴染みある和室の空間が、くつろぎと落ち着きを与えてくれています。また、畳で過ごすと視線が低くなるため、部屋の空間に広々とした開放感が生まれます。家族の距離も縮まり、コミュニケーションもはずむ、憩いの場と言えるのではないでしょうか。

1-1:畳は、種類ごとにメリットが異なる


 畳の種類ごとのメリットをお伝えする前に、畳の構造を簡単に理解することが必要です。畳は、主に3つで構成されています。

①畳表:歩くと凸凹している表面の部分を畳表といいます。

②ボード(床):畳の本体部分を指します。55mm~60mmの厚みが

昔ながらの一般的な畳の厚みです。ボードに、畳表が縫い付けられています。

③へり:畳の側面に縫われている模様が「へり」になります。

最近は、へりがない畳を琉球畳と呼ばれるようになりました。

畳は、さきほど説明した①畳表②ボード(床)にそれぞれ種類があり、それぞれメリットや特徴があります。へりがついている畳、へりがない畳の 「形状」によってもメリットや特徴があります。

次項では、畳表、ボード(床)、形状の種類ごとの特徴やメリットをご紹介しています。



畳のメリットを説明するために使用する畳の構造写真
畳の構造



1-2:畳表(畳の表面)の種類は大きく分けて3種類

  


 畳の表面は、大きく分けると3種類です。

①いぐさ畳表②化学表:和紙畳表③化学表:樹脂畳表

この3種類が、流通の大半を占めています。

その中でも、いぐさは全体の約80%を占めており、化学表が約20%を占めています。

いぐさは、国産と中国産が流通しています。化学表は、大手メーカーが開発されたセキスイ・ダイケン製が多く流通しています。 中国製の化学表もわずかながら流通しています。

1-2-1:いぐさ畳表


 いぐさは、畑と田んぼで1年ほどかけて育てられる植物です。植物ならではの良さ・悪さがあります。畳1枚には、数千本のいぐさが編みこまれています。いぐさは国産と中国産が流通しており、安価な理由から中国産が70%前後の流通を占めています。国産・中国産のいぐさの中にもランクがあり、値段にも幅が出ています。例えば、畳表1枚の重さや、畳表に使われるいぐさの本数、品種など様々な理由で値段が違います。最初は安価と高価な畳の見ためが同じように見えますが、年数の経過とともに畳の耐久性や色味に差が出てくるのが特徴です。産地偽装の問題もありますので、安心できるお店に頼むことが大切です。


1-2-2:和紙畳表


 和紙畳表は、機械すき和紙が使われています。和紙をひねってひも状(こより状)にしたものが編みこまれています。いぐさ独特の見ためやクッション性などを再現するために開発された素材です。特徴は、こより状にした和紙1本1本が樹脂でコーティングされているため、いぐさにはない特徴があります。和紙畳表の中でも大建工業が開発した「DAIKEN畳おもて」が多く流通しています。 DAIKEN畳おもてよりも少々毛羽立ちやすい類似品も出回っておりますので、注意が必要です。


1-2-3:樹脂畳表

 


 樹脂畳表は、無機材料(吸湿性炭酸カルシウム)とポリプロピレン樹脂でできた素材が編みこまれています。樹脂畳の中でも積水成型工業が開発した「MIGUSA:ミグサ」が多く流通しています。「MIGUSA:ミグサ」よりも少々毛羽立ちやすい類似品も出回っておりますので、注意が必要です。

  



1-3:いぐさ畳のメリット・特徴


①最大の特徴は、いぐさ独特の香り、落ち着き、肌ざわり、見ため


 いぐさの最大の人気は、香りです。この香りはいぐさにしかない独特の香りです。

いぐさには、森林、バニラエッセンス、紅茶に含まれる成分が入っていて、和室が落ち着くのはそうした成分が含まれているからかもしれません。

また、なめらかな肌ざわりの質感は、いぐさならではの特徴です。

いぐさの表皮には顕微鏡で見るとこまかな溝があり、それが肌へのべたつきを抑え、さらりとしたなめらかな肌触りを生み出しています。

こうした良さは、大自然が育てた天然植物ならではです。

ついついごろ寝をしたくなるのも、いぐさの質感がそうさせているのかもしれません。落ち着いた緑の色味や香り、肌ざわりが千年も前から日本人に落ち着きを与えてきたのです。


 


 

②情緒的な部分


 畳の情緒的な部分も、いぐさ畳の良さです。実家で過ごした和室の生活。

お盆のジリジリ暑い日に、祖父母の家の畳でゴロゴロ涼んだ記憶。小さい頃の記憶

を思い出すきっかけに。和室があると、ふと昔を思い出せるのが畳です。

やっぱり、畳は1部屋はあった方がいい。と皆さんが仰るのは、思い出を無くしたくないという想いもあるのでしょう。

みなさんはどんな思い出がありますか?


③集中力UP


 いぐさには、集中力を持続させる効果があります。北九州市立大学 森田 洋博士の研究で明らかになりました。その研究は、こどもを対象に、畳の部屋とフローリングの部屋それぞれで計算問題を30分解いた結果、解答数がどうなるかを実験したものです。この学習実験の結果、畳の部屋の方が 解答数が 約17問UP( +14,4% ) したとの結果が出ています。正解率について、差はありませんでした。


④抗菌性


 水虫や、足の臭いの原因となる微生物を寄せ付けない抗菌効果 があります。過去問題になった大腸菌O157や、牛乳で問題になった黄色ブドウ球菌にも抗菌性があります。

また食中毒を引き起こす代表的な原因菌「サルモネラ菌」などにも抗菌性あると言われています。


⑤防音効果


 いぐさには、音を吸う力があります。い草の構造がスポンジ状になっており、音を吸収します。フローリングの部屋よりも畳の部屋の方が、騒いでも静かな傾向があるのはそのためです。


⑥香り・リラックス効果


 いぐさの代表格「香り」。いぐさの香り成分には、森林、バニラエッセンス、紅茶にも含まれる同じ成分が含まれています。リラックス効果は、九州大学の調査で明らかになっています。空気とい草を比較した実験では、い草の方が副交感神経活動が高まることがわかっています。また、脳波測定ではα帯域振幅が空気よりも高いことが明らかになりました。

※副交感神経:リラックスしたときに副交感神経が高まることで知られる。

※脳波測定:α帯域振幅はリラックスしたときに高まると言われています。

※森林浴、バニラエッセンス、紅茶の成分:フィトンチッド、バニリン、ジヒドロアクチニジオリド


⑦空気の清浄効果


 いぐさは、化学物質「ホルムアルデヒド」の吸着に優れています。ホルムアルデヒドは、家の接着剤や防腐剤に含まれています。ホルムアルデヒドは、頭痛、目のチカチカ、ダルさなどの症状が出る「シックハウス症候群」の主な原因物質と言われています。いぐさ畳は、健康的に暮らすための家の味方です。


⑧睡眠効率UP


 実験によると、いぐさの畳は睡眠効率が高いことがわかっています。日中に限らず、夜に寝ているときでも副交感神経が高い結果が出ています。(休息を誘導する効果があります。)

※睡眠効率=実際にからだと脳が休息して眠っていた時間÷寝入ってから起きるまでの時間

※参考:九州大学大学院の検査・実験:見た目は畳の素材と、い草の畳で人の睡眠効率を比較


⑨保温・湿度調整


 祖父母の家(和室)に上がったとき、ヒンヤリした感覚を感じた事はありませんか? いぐさは、湿気を吸ったり吐いたりしてくれます。湿気が多い夏には湿気を吸収し、乾燥する冬には湿気を放出します。ですから、夏は涼しく・冬は温かく感じます。天然のエアコンなのです。


⑩消臭効果


 汗・タバコ・加齢臭など、臭いの原因物質「アンモニア」「酢酸」などの悪臭を軽減する効果があります。食べ物の消臭軽減も。例えば、夕食でお好み焼きなど臭いがキツめ食事をする際に畳部屋を開けておくと、翌日は臭いが気にならなかったという事例もあります。



  


1-4:和紙畳のメリット・特徴 (DAIKEN)


①お部屋に合わせた色味を楽しめる

 豊富にカラーがあります。例えば黒・青・黄色などポップな色から畳本来の伝統的な色

味を再現したものまでさまざまです。お好みに合わせて楽しめるのが良さでもあります。

②撥水性

 化学表の人気の1つです。和紙が樹脂でコーティングされている為、撥水性に優れています。万が一飲み物をこぼしても、すぐに、さっとふき取ればキレイになります。

③カビ抵抗性

 いぐさの畳表と比べると、カビの増殖を抑えます。

④耐変色

 いぐさより日焼けに強いと言われています。日焼けによる変色がしにくいです。

⑤耐久性

 いぐさより足の爪や荷物によるキズに強いと言われています。

  




1-5:樹脂畳のメリット・特徴 (MIGUSA:ミグサ)

  


①色あせしにくい

 いぐさに比べると色あせがしにくいと言われています。

日光の入る部屋でも色変化が起こりにくいです。

②水・汚れに強い

 いぐさに比べると、汚れが取れやすく、いざというときのお手入れがしやすいです。

 

③耐久性

 いぐさに比べると耐久性が高いです。経年劣化が起こりにくく、毛羽立ちにくいのが特徴です。

④ダニ・カビが発生しにくい

 いぐさの畳表と比べると、カビが発生しにくいです。MIGUSAは、カビの心配が少ない日本アトピー協会推薦の畳表になっています。

⑤部屋に合わせた色味を楽しめる

 DAIKENの和紙畳表と同じく、豊富にカラーがあります。40色以上の豊富な織柄とカラーバリエーションが用意されており、畳の常識にとらわれない織柄とカラーが印象的です。

※化学表の肌ざわり

化学表は、いぐさとは違った肌ざわりです。

和紙畳と、樹脂畳でもそれぞれ肌ざわりが違います。

化学表を検討される際は、質感も合わせて確認してみるといいでしょう。





1-6:畳の形状ごとの特徴


1-6-1:へりつき畳の特徴


 昔ながらのへりつき畳は、日本固有の文化です。日本の象徴として、へりつき畳が欠かせないものになっています。神社やお寺、茶道、書道、重要文化財の建造物などの日本を象徴させるものには、やはり伝統的なへりつき畳が採用されます。日本らしさの和がお好きな方には、へりつき畳がいいでしょう。また、へりは、畳同士の摩耗を防ぐ役割もあります。へりなし畳に比べると、長持ちしやすいのが特徴です。へりの色味や柄を楽しめるのもへりつき畳の魅力です。

最近は、襖や照明もモダンな物がたくさんあります。襖や照明、障子を上手く組み合わせると旅館のような雰囲気になり素敵ですよ。


1-6-2:へりなし畳(琉球畳)の特徴


 へりなし畳(琉球畳)は、現代の家に合わせやすいデザイン性から人気が高くなってきています。昔ながらの和室ではなく、畳コーナーや畳スペースとして、洋間のクロスに畳といった活用方法で、新築住宅には、へりなし畳が採用されることが多くなりました。へりがないため、スッキリとした印象で部屋が少し広く感じるのも特徴です。最近は、ホテルや旅館でも見かけることが多くなりました。へりなし畳は、一部では琉球畳と呼ばれるようになりましたが、正式には琉球畳ではありません。琉球畳とは、シチトウイという植物を編んだ畳表を使ったへりなし畳を指しています。シチトウイ以外の畳表が使われていれば、「へりなし畳」が正式な呼び方ですので注意しましょう。





1-7:畳のボード床ごとの特徴


 畳のボード(床:とこ)の特徴をご紹介します。近年は畳のボードの厚みが様々で、

15mm~60mmの床で作られている畳が多いです。厚みによって性能は異なりますので

ご注意ください。この記事では、畳床の大まかな特徴を理解いただくために、

2種類のボードをご紹介します。 最近では、ほとんどの畳に建材床が使われています。


1-7-1:建材床

 建材床は、細かな木材を圧縮したインシュレンボードと呼ばれる素材と、ポリスチレンフォームを使った床になります。断熱性・防音性・耐湿性に優れています。

素材の特長から、表面の凸凹がなく、畳の角もキッチリしているので、キレイな仕上がりになります。

  


1-7-2:ワラ床

 ワラ床は、昔から使われている伝統的な畳床です。米を収穫した後の稲わらを何層にも積み重ね、圧縮して縫い上げて作られています。足ざわりは、ふんわりとした独特の弾力性が特徴です。断熱性・防音性・耐久性・耐湿性に優れています。

  








2章:畳の種類ごとのデメリット


家づくりやリフォーム、家具も同じですが、畳も「ものづくり」です。メーカーや、職人、作りてによって、仕上がりや耐久性が違ってくるものです。畳替えをする際には、安心できそうな畳屋さんを探していくことが難しくもあり、大変なことだと思います。




2-1:いぐさ畳のデメリット・特徴

 





定期的に張替える必要がある点が、デメリットでもあり、メリットでもあります。


見ため、衛生面が気になる方、畳の香りをまた感じたい方は定期的に張り替えますし、

ご予算がなかったり、我慢できる方は30年以上1回も張り替えていない方もいらっしゃいます。

逆に、フローリングの浮いてくる感じが気になって、畳より先にフローリングを張り替える方さえもいらっしゃいます。


張り替えの頻度は、一般的な目安はありますが、いぐさが服につく、カビの臭い、畳の凹み、フカフカした感覚が気にならないのであれば、ご自身のタイミングで張替えをしても差し支えありません。

最近の畳の床は建材床で、床の表面が木の繊維を固めたものですが、長く使用していると柔らかくなったり、デコボコしてきます。長く使っているからといって危険性はありません。また、いぐさは植物ですから、安全です。


最近の張替え頻度の傾向は、大体15年~20年くらいで畳替えされる方が多い印象です。

畳は張替えは、町の畳屋さんであれば1日で施工が終わることも多いです。

和紙畳にしてみたり、良質ないぐさの畳にしてみたり、へり(畳のフチ部分)を変えてみたりと気分を一新したいときにはピッタリです。


ただ、張り替える度に費用がかかってしまいます。選ぶ畳によりますが、10年~15年ほど使用すると、月額でならすと喫茶店の飲み物1杯分くらいの費用がかかります。



また、いぐさは、天然の植物ですので、お手入れが必要になる点もデメリットでしょう。

植物ですから気になるのは「カビ」です。

注意が必要な和室は、①北部屋で結露が多い②マンションの角部屋で和室が外壁側に面している③床下がコンクリートではなく、土になっている戸建住宅は注意が必要です。


何かこぼしたまま放置する、雨の日に窓を開けたままにする、加湿器をよく使う、換気や掃除をまったくしない、和室をまったく使用しないのもカビの原因です。

(※実は、畳の部屋を良く使うことは、カビ対策になります。素足で畳の上を歩くと、足の脂がい草をコーティングし、カビが生えるのを防いでくれます!)


上記にあてはまっていなく、こまめに換気、除湿、 掃除をしていれば、今までの経験上、よほど表面にカビが発生することはないと思います。


日焼けにも弱いため、畳をより長持ちさせるためにも、紫外線に強いカーテンを使うと日焼け防止に良いでしょう。





2-2:和紙畳のデメリット・特徴

 





定期的に張り替える必要がある点はいぐさ畳と同様です。

(最近の方は、大体15~20年ほどで張替えする方が多い傾向です。)

経年後は、汚れが蓄積していき、いぐさ畳にはない独特の汚れやべたつきが目立つようになります。また、いぐさ畳特有の香りはなく、集中力UP、空気清浄、消臭、睡眠効率UP断熱性、リラックス効果の効能など、いぐさの効能はありません。


表面を触ったときの肌触りもいぐさとは異なります。

肌触りは良し悪しですので、畳屋さんに実物和紙のサンプルを触らせてもらい確かめてみるといいでしょう。


しかし、カビ抵抗性や日焼けで色が変色しづらいことから、見た目が変わりづらいため、

あまり使っていない和室に和紙畳を重宝される方も少なくありません。



2-3:樹脂畳のデメリット・特徴





 

 定期的に張り替える必要がある点はいぐさ畳と同様です。

和紙畳と同様、経年後は、汚れが蓄積していき、いぐさ畳にはない独特の汚れや

べたつきが目立つようになります。また、いぐさ畳特有の香りはなく、集中力UP、

空気清浄、消臭、睡眠効率UP、断熱性、リラックス効果など、いぐさの効能はありません。


表面を触ったときの肌触りもいぐさとは異なります。

肌触りは良し悪しですので、畳屋さんに実物和紙のサンプルを触らせてもらい確かめてみるといいでしょう。



※和紙畳も、樹脂畳もそうですが、耐久性がイグサより高いと言われてはいるものの、

実際は傷がつくとイグサよりも目立ちやすいのがあまり知られていないデメリットです。

使い方にもよりますが、使用頻度が多いと傷がついたり、表面が白っぽくなり、傷が目立ちやすいです。最初はキレイでも、経過後の見た目に驚く人も少なくありません。町の畳屋がイグサの畳を好むのは、何年も経った状態の畳を色々見てきた経験から、いぐさの方がキレイという実体験に基づくものと思われます。ただ前述したように、あまり使わない和室であれば見た目のキレイさが持続するのは良い点です。




2-4:畳のボード(床)ごとのデメリット

 昨今では、機能性からほとんどの畳が建材床で作られています。伝統を重んじる場所ではワラ床を使った畳が作られています。


2-4-1:建材床のデメリット


 ワラ床と比べると、材質が固いです。木材を圧縮した素材で作られているため、

ワラ床の畳を使用したことがある方ですと、踏み心地が固く感じることがあります。

また、何度も裏返しや表替えをしていると、針の跡や、残った糸で建材床が脆くなります。

畳解体時に裏のシートを切ってしまうなど、畳職人が正しく補修しないと、畳の制作中に畳の角が取れたり、床の裏面がえぐれるなど、建材床の寿命が短くなってしまいます。



2-4-2:ワラ床のデメリット


 ワラ床は天然素材ですので、湿気がこもると、カビが生えたり、ダニが発生しやすくなります。また、新しいワラ床を使って畳交換をすると、使うワラ床にもよりますが、梅雨時期や夏場はダニや虫が出てくる場合があります。

高気密な住宅にお住まいな方は、建材床より入念な掃除や、こまめな換気、布団を敷きっぱなしにしない、窓の結露をそのままにしない、などのお手入れが必要となります。







3章:畳の導入事例や用途について

  


本章では、畳の利用シーンや畳の導入事例をご紹介します。

これまでいぐさ畳、和紙畳、樹脂畳とご紹介いたしましたが、

いぐさ畳が人気で、1番多く流通しています。





3-1:畳の導入事例


3-1-1:注文住宅


 ハウジングセンターや住宅展示場に行くと、大体のモデルルームにリビングと隣り合わせの畳部屋を見かけるのではないでしょうか。実際に注文住宅で畳部屋を入れる方はハウスメーカーによってまちまちで、畳部屋を入れる方は5割というメーカーもあれば、2割ほどといった所もあります。

二世帯住宅ですと、畳部屋を入れる方も増えてくるようです。株式会社プラネットの調査では、「理想の家に住めるとしたら畳の部屋が欲しい」と答えた方は約7割でした。本当は畳の部屋がある家が欲しいものの、スペースや予算の関係から現実は取り入れられていない方もいるようです。


3-1-2:和室があるご家庭の方


 ご家庭の方は、ほとんどの方がいぐさの畳を選ばれます。昔ながらの地域の畳屋さんですと畳の実物サンプルを見れる事が多いため、いぐさの質感を実際に確かめ、気に入っていただける方が多いです。いぐさには国産・中国産があり、産地それぞれにワインのようなランクが存在します。いぐさの品質に良し悪しがありますが、「国産の中でも品質が良いものを選ぶ方」「安さ重視、中国産で品質が低いものを選ぶ方」など価値観はさまざまです。


3-1-3:賃貸アパートやマンション


 賃貸では、ほとんどに中国産畳が採用されています。コストの兼ね合いで、

中国産畳の中でも、ランクの低い畳が使われています。「畳はすぐに毛羽立つ、ボロボロになる」といったイメージは、中国産の中でもランクが低い畳でイメージが作られているものと思われます。このイメージが、1900年代と比較して畳離れとなった原因の1つです。


3-1-4:個人のお客様向けのサービスを提供するお店


 畳は、さまざまな所に活用されています。

書道教室、華道、香道、茶道、将棋教室、民芸品店、古民家、教会堂、ヨガ、ジム、合気道、柔道、銭湯、スパ、呉服、かるた会場、喫茶店、居酒屋、お寺、神社、学校、公民館、町内会、列車、空港、交番、寮、漫画喫茶、船、病院、イベント会場など本当にさまざまです。

高級旅館では、畳文化継承の想いや、いぐさ畳ならではの質感や見ためを含め、いぐさ畳を採用されている所があります。

割烹、和食などを提供するお店も、いぐさ畳を採用されている所を見かけます。

規模の大きいホテルでは、不特定多数の方が来られることから、撥水性やメンテンス重視で和紙畳や樹脂畳を使っている所が多い傾向です。

ビジネスホテルなどの宿泊料金が安いホテルでは、値段重視で中国産の格安畳を採用する所が多い傾向です。

最近では、お店のカウンターに畳を敷き込むなど、床以外の畳を活用する事例もあり、新しい畳の活用方法も出てきています。


3-1-5:オフィスにて


 会社のオフィス内の休憩所や会議室に畳が導入されています。テレビ通販で有名なジャパネット高田では、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ 、「在宅より快適なオフィス」を目指し、畳敷きの会議スペースを設けた事例があります。自動車メーカーでは畳の小あがりスペースを設け、終業後におつまみやお酒も飲めるスペースにしています。「快適さ・リラックス」をテーマに、畳を導入している事例が多いと言えます。





3-2:畳の用途 生涯にわたる畳の使い方


3-2-1 子育てにピッタリ


 畳は、子育てによいとされています。特に、産後すぐ~2歳頃まで活躍します。


① 産後~2か月頃

産後の母は、お産により骨盤が不安定になっている為、スプリングベッドの乗り降り

で骨盤がゆがむことがあります。ですが、畳なら自然な動作で起きやすいので、

骨盤調整にいいとされています。畳はゴロンと寝転がれるので、添い寝のしやすさも

特徴です。赤ちゃんの着替えやおむつ替えも広々としたスペースを使えます。さらに、

汗やおしっこの臭いを消臭する効果がある他、汗による湿気も吸湿します。


② 3か月~10か月頃

畳の上に布団を敷くことで、ベッドによる落下の心配はありません。1歳過ぎてからも寝返りや寝相が悪い子もいると思いますので、布団を敷くことで家族で広く使えて、安心して寝られます。また、畳は適度な弾力があるため、ハイハイがしやすい環境です。フローリングと比べれば滑りづらく、ハイハイが増えることでフローリングよりも全身の筋肉が鍛えられます。結果、足腰が丈夫になりやすいのです。


③ 1歳前後

畳の表面の凹凸が、赤ちゃんの踏ん張る力を支えてくれます。つかまり立ちの機会が

増えれば、体重を支える筋肉が発達し、姿勢が良くなります。ただ、つかまり立ちをしたり、歩き出しをする時は、転倒がつきものです。そんなときでも、畳は弾力性がある為、フローリングで転倒したときよりも衝撃を吸収します。


④ 2歳前後

2歳前後は、大きな声や鳴き声、動きが激しくなり、物音が気になる頃です。

畳のやわらかさは、音を吸収します。完璧に防音できるわけではありませんが、

物音を和らげる効果があります。



3-2-2 介護


 昔からいぐさの畳部屋で暮らしてきたご高齢の方は、

「やっぱりいぐさの畳で暮らしたい」と、馴染みある和室で暮らしたいと希望する方が

いらっしゃいます。一方、介護側の意見で、失禁のケアが大変という観点から、

撥水加工のある樹脂畳に替えるケースもあります。もしくは、和室をフローリングに改装し、畳ベッドを置く方も見えます。


3-3-3 寝室・勉強部屋に


 さきほど「いぐさ畳のメリット」で伝えたように、睡眠効率が高まることから

寝室にされる方も多いです。夜に中々寝付けない方が和室で寝たところ、ぐっすり寝れたと感想をいただく方もいらっしゃいます。(個人の感想ですのですべての方に当てはまるわけではありません。)集中力が高まることもわかっていますので、勉強部屋やテレワーク部屋にするのもおすすめです。


3-3-4 最近は畳ベッドも登場!


 最近は、ベッド上部に畳が敷かれた畳ベッドも販売されています。畳部屋がない方や、スプリングベッドで腰が痛くなる方などが利用しています。畳ベッドの特徴は、ベッド上の布団を片付けることで「畳の小上がりスペース」ができることです。部屋を広く使えることができ、お部屋が狭めな方に好評です。

3-3-5 生涯にわたる畳の用途 


住まいの畳部屋のいいところは、上記でもご紹介したとおり用途が複数あること。

日中は畳でゆったりとくつろぎ、夜は寝室に。

そして、泊まりにきた来客の寝室にしたり、

大人数で集まるときは、折り畳みテーブルを出してみんなで食事。

将来的には、親御さんの介護のお部屋にも。

ゆくゆくは、子供の里帰り出産で、お孫さんの育児の部屋にしたり、

大きくなれば遊び部屋にも。

生涯にわたって、いろんな使い方ができるのが畳の魅力の1つだと思います。




3-3:番外編 畳と比べたフローリングのメリット・デメリット


 比較されがちな畳とフローリング。それぞれのメリットとデメリットは何でしょうか。

畳のメリットは、くらしを快適にする多様な効能がある点でしょう。リラックス効果のある香りをはじめ、集中力up、消臭、空気清浄、調湿、睡眠効率up、防音、抗菌効果があります。畳の上を素足で歩けたり、ゴロンと寝ころがれる気持ち良さがあります。畳だからこその程よくやわらかい肌触り。こどもの頃、実家の和室で過ごしていた思い出。くつろげる空間と昔から馴染みある和室の空間が、くつろぎと落ち着きを与えてくれています。また、畳で過ごすと視線が低くなるため、部屋の空間に広々とした開放感が生まれます。家族の距離も縮まり、コミュニケーションもはずむ、憩いの場になります。

畳のデメリットは、メンテナンスのしづらさでしょう。水をこぼしたときや、ワンちゃんのおしっこなど、フローリングに比べ水分に弱い点が挙げられますので、お手入れに気を遣う必要があります。

また、日焼けした後の安い畳は、「古臭い」イメージがあることも否めません。


フローリングのメリットは、何よりメンテナンスのしやすさでしょう。畳のような凸凹がないため、掃除がしやすい他、水分や食べ物をこぼしたときなどのメンテナンスのしやすさが魅力です。 ただ、フローリングも長年使うと、表面が浮いてきたり、表面の剥がれ、紫外線により表面がガサガサになってきます。また、歩く度にギシギシと音鳴りがするところも畳にはないデメリットです。張替えがまったく必要ない建材ではないことは注意しましょう。

フローリングのデメリットとしては、冬場は足が冷えやすい点です。断熱効果が少ない為、靴下やスリッパがないと過ごしづらいと言えます。畳には多くの効能がある反面、フローリングにはありません。また、材質が基本的に硬いため、疲れやすく、足跡もつきやすく、気軽に寝転がれない点もデメリットです。


3-4:番外編 全国の畳屋さんのおすすめは、いぐさ畳が大半


 熊本県い製品卸商業協同組合が実施した畳屋(256件)へのアンケートでは、「自宅に畳を敷くならいぐさ畳」と答えた畳屋が86%に及びました。お手入れに手間がかかるところはありますが、いぐさ畳ならではの香りや触り心地による癒し、さまざまな効能に軍配が上がりました。



3-5:番外編 畳をもう少し知っておきたい方へ



今回ご紹介した畳のメリットやデメリット以外にも、「他の人はどんなタイミングで畳替えをしているの?」など畳にまつわる疑問を五十嵐畳店(千葉県)ホームページに記載しています。気になる方は、五十嵐畳店公式ホームページの「読み物」→「畳のマメ辞典」ページをご覧になってください。



〇公式ホームページ



まとめ



・畳は、種類や構造ごとにメリット・デメリットがある

・いぐさ畳のメリットは、独特の香り、肌ざわり、見ため、情緒的な部分、集中力up、

抗菌性、防音効果、リラックス効果、空気清浄、睡眠効率up、保温・湿度調整、消臭効果がある。

・いぐさ畳のデメリットは、定期的なお手入れや定期的な張替えが必要な点である。

・和紙畳のメリットは、色味を楽しめる、撥水性、カビ抵抗性、耐変色、耐久性がある。

・和紙畳のデメリットは、独特の汚れや、いぐさが持つ効能がない点、定期的な張替えが負担である。

・樹脂畳のメリットは、色あせしにくい、撥水性、耐久性、ダニ・カビが発生しにくい、色味を楽しめる。

・樹脂畳のデメリットは、独特の汚れや、いぐさが持つ効能がない点、定期的な張替えが負担である。 である。

・畳は、注文住宅、賃貸、オフィス内ほか、数十の施設や乗り物などに導入されている。

・畳の用途は、子育て、介護、寝室、勉強部屋など様々である。

・全国の畳屋さんがすすめる畳は、いぐさの畳が1番である。



畳 メリット デメリットのブログ記事を書いた五十嵐畳店のアイコン






♢ブログ作成元 五十嵐畳店

千葉県船橋市駿河台2-18-9


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五十嵐畳店外観


[ 畳替えのご相談 ]

TEL:047-422-1005  

(受付:7:00~20:00 平日・土日祝)


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はじめての方でもお気軽にお電話ください。



[畳工事]

表替え、裏返し、畳交換(新調)、畳の処分

4畳、6畳、8畳など1部屋~複数部屋、大部屋など様々な広さに対応いたします。



[畳の種類]

へりつき畳、琉球畳(へりなし畳)、カラー畳(和紙畳、樹脂畳)




「畳交換、畳張替え、畳表替え、畳替え、畳新調、畳裏返し・・・」と

いろいろな呼ばれ方をしていますが、畳の張替え方法は3つだけです。

めったにない張替えの機会ですので、できるだけわかりやすく、丁寧に畳張替えをいたします。





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